インプラントの歴史
人類は何世紀にもわたり失った歯の代わりにいろいろなもの代用し顎に移植を試みて来ました。うまく骨結合した最古の例が、
1400年前のマヤ文化の遺跡から見つかっています。



- エメラルドで作られた歯根がインカ帝国時代のペルーのミイラからみつかっている
- 古代中国とエジプトのミイラから埋め込まれた象牙の歯が見つかっている
- 現在のイタリアにあたる古代エトルリア地方では牛の骨をけずり失った歯の代わりに移植し使用した
- 古代ギリシャの統治者は抜けた歯の場所に奴隷の歯を移植した
- Maggiole(1809)は、抜けた歯のくぼみに金属(18K)金の歯根を埋め込み、歯を支台の上に構築したと発表した
- 紀元600年のホンジュラスのマヤの遺跡で発見された顎骨への歯根の移植は世界で最初に骨への結合が成功したインプラントである事がレントゲンで確認されている
20世紀に入り歯根のインプラントは様々な素材、形状が試行錯誤されてきました。
コバルトクロム合金で出来た顎骨に埋め込む平たく薄い「ブレード」型、顎骨の上に載せるだけで骨内に埋め込まない「Sub-Periosteal」型、顎骨の下から入れる「Trans-osseous」型等、そして筒型でも非金属の「クリスタル・サファイア」インプラントといろんな種類が試されましたが殆どが永く持ちませんでした。
20世紀の半ばになり、スエーデンの整形外科医ペル・イングヴァール・ブローネマルク博士が金属チタンが骨の組織と結合する性質を偶然発見し「osseointegration
・オッセオインテグレーション」と名づけ、これにより人工歯根移植「インプラント」は躍進的な発展を遂げる事に成るのです。
数々の実験後、1978年には、はじめて商業用の歯科用チタン・インプラントが製造・発売され,

1980年代からは、様々な形のチタンインプラントが作られて、その後2-30年間はデザインや方法に改良が多く加えられました。

歯科インプラントは21世紀に入り失歯の補充治療の選択の最良方法と成ったのです。